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執筆者の写真chikako

人との出会いが未来をひらく



愛着についてお話をします。

愛着はアタッチメントともいいます。


その基本形は

生まれてから2歳ぐらいまでの間のお母さんとの間に形成されたものです。


これが

人との出会いに大きく影響していきます。


J.ボールビィは、ホスピタリズム(劣悪な施設環境での愛着行動)の研究の中で、愛着形成時期を他のどの要素より発達全般の礎となっていることを発見します。この時期に養育者との愛着形成に課題を抱えた子どもたちが、長じて様々なトラブルを経験しています。このことから、J.ボールビィは、アタッチメントの形成は、愛着を示す行動(愛着行動)で知ることができると言っています。


J.ボールビィの愛着研究を継承したM.エインズワースは、愛着形成には、安全基地の獲得が重要であると言っています。


それには、回避群、安定群、不安定群の三つがあります。


回避群は、お母さんが離れても泣かず、再会を喜ばない

安定群は、お母さんが離れると泣き、再会を喜ぶ

不安定群は、お母さんにべったり の反応をします


安定群以外は、長じて恋人関係、夫婦関係に問題を抱えることを指摘しており、

特にも、愛着形成には、安全基地を獲得することが重要であると述べています


M.クラインは、2歳までの養育者とのアタッチメント形成において、妄想‐分裂ポジション(生後~6か月)を経て、抑うつポジョン(6か月~2歳)に至ると述べていますが、


抑うつポジションに達していれば、

万能感が消えて自分が悪かったと気づきシュンとなるように

いろんな感情を抱えることができるが、


妄想‐分裂ポジションは、

良いか悪いかの二者択一の世界であり、

万能感によって周囲の大人を振り回します。


様々なトラブルを抱えている人の中に、

このような状態にある子どもたち、大人がたくさんいると私は感じています。


しつけは、対象とアタッチメントの関係性ができて初めて成立します。

例えば、服の脱ぎ方や靴の履き方などを覚える段階で、自分の失敗を受け入れながら、大人の言うことを聞き入れて、自分の行動を修正し続けることによって始めてできるようになっていきます。


それは、人から指摘されたことを素直に聞き入れ自分を修正する力も、アタッチメントを形成する力が必要です。


妄想‐分裂ポジションの二極の価値観にあると、甘言に騙され、トラブルに巻き込まれやすく、自分にとって損と思うと相手が誰であれお構いなく暴言、暴力の標的にします。


その暴言、暴力は幼児だけではありません。

学校で、クラスメイトや教師に無差別に暴力ふるう子どもたちがいます。


心の発達は、不快を獲得することから始まり、

生存本能に従って、安心安全を保障されることによって正常な心身の発達が促されるのですが、

安全基地を獲得できなかった子どもたちは、

常に生存本能が発動している状態であり、危険回避のための不安回避行動に翻弄され続けます。


また、ギフテットと呼ばれる子どもたちや発達障害を抱える子どもたちの場合は、

その特性のためにいくつかの感覚が繊細過ぎるために、

常に過覚醒の状態にあり、

みんなに合わせて同じように進めていくことが難しいことで指導を受けることとなり、

人知れず、理解されない生きづらさを抱えています。


話を戻しますが、

愛着(アタッチメント)形成は、親御さんとの関係のみをさしません。


習い事、学校で出会う先生、部活のコーチなど

子どもたちに関わる大人との間でも形成されます。


その大人との関係の中で信頼関係を結ぶことが出来れば

その子の人との愛着形成にも変化が生じてきます。


愛着障害という言葉が、独り歩きすることがありますが、

私はこの言葉が好きではありません。

その陰で親の不足を攻撃する意味が隠れていることがあるからです。


愛着を形成できなかった家庭環境が悪いのであれば、

親御さんや環境の問題を指摘し、

攻撃するのではなく


そう感じているその人が縁となり、

その子の確信を変える信頼関係をつなぐお役目があるのです。


今、関わっている大人たちとの関係性の中で形成していくことによって

その子は、安定した人との関係性を築く未来をひらくことが出来ます。


私は、学校で仕事をしていく中で

うまく人と関われずトラブルを繰り返していた子供が

先生たちとの出会いによって

変わっていく姿をいくつも見てきました


私は、そんな奇跡をいくつも見てきました。

なんと幸運な人生だろうと思います。


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